『ボーダー・ライン』

 

ボーダーライン スペシャル・プライス [DVD]

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 『ボーダーライン』という映画をレンタルで観ました。事前に得ていた情報としては、この映画はアメリカとメキシコの麻薬カルテルとの戦いを描いたもので、舞台となるのはアメリカとメキシコの国境(ボーダーライン)周辺、ということぐらいでした。どうせ派手な銃撃戦が繰り広げるだけのアクション映画だろうな、ぐらいの気持ちで観始めたのですが、期待していた以上の出来栄えの映画でした。

 主人公のケイト(FBI捜査官)は、麻薬組織にダメージを加える作戦を行っているCIAのグループへ一時的に加わることになりました。CIAはアメリカ国内で単独でミッションを行うことが法律上出来ないので、便宜的にFBIの人間が参加することになったのでした。従って作戦を主導するのはCIAで、ケイトは彼らに随行します。ただ、作戦の全貌が今ひとつ掴めなくて、何だか常に蚊帳の外にいるような気分のケイト。メキシコの麻薬カルテルの幹部の行方を捜査して捕まえることが目的となっているのですが、どうやらそれは表向きの理由で、真の目的は別にあるのではないかと・・・。

 この映画の原題は”SICARIO(シカリオ)”で、スペイン語で「暗殺者」という意味です。映画を観ていても、初めのうちは暗殺者って誰のことなんだろう?と首を傾げてしまうのですが、ラストになってこのタイトルの意味が分かります。そして、英語で暗殺者を表すASSASSINではなく、スペイン語のSICARIOという表記にした理由も分かります。

 

 この映画では、ベニチオ・デル・トロが正体不明の謎のコロンビア人を演じているのですが、このオッサンの存在感が強烈すぎて、こういう犯罪絡みの映画で怪しい役をやらせたらこの人の右に出る俳優はいないのではないかと思います。

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 この映画のケイトのように、比較的若い女性が警察やCIAなどの組織で大役に抜擢されて活躍するという設定はよくあります。ちょっと前ですと『ゼロ・ダーク・サーティー』というビンラディン暗殺を描いた映画でジェシカ・チャステインが演じたCIA分析官とか、更に前(相当古い ^^;)だと『羊たちの沈黙』でジョディ・フォスターが演じたFBI訓練生などが思い出されます。能力があれば、年齢や性別に関係なく重要なポストが与えられるのは、いかにもアメリカらしいけど、現実社会でもアメリカではこんな風に女性が活躍しているのかなぁ?映画の中だけなのか? 日本ではこういう例は現実にはほぼ無いし、フィクションの世界でもあまり無いような気がします。