アメリカでディナーに招待されたら

 仕事を終えて、会社から名古屋駅まで30分ほど歩く途中に、いつものようにイヤホンを付けて英語の番組を聴いていました。今回は知人などの家のディナーに招待された際に、何を持って行けばよいかを尋ねるフレーズを紹介していました。こういう時に持っていくのは、一応「ギフト」ですけど、誕生日プレゼントのような、「いかにも贈り物」といったものではなく、その日のディナーで一緒に楽しめるようなもの、例えばワインとか食後のデザートなどが適当だと言っていました。
 そしてこの英語の番組のホストは、アメリカのカルチャーにおいて、こういうシチュエーションでギフトを持参するのは非常に重要なことだ、と言っていました。
 そこで思い出したことがひとつあって、その昔、私がアメリカでの留学を終えて日本へ帰国する直前に、親交があった私よりだいぶん年上のアメリカ人夫婦の家へ食事に招待されました。そちらのお宅で、私は奥様の作った手料理を御馳走になりました。メインはハーブで味付けしたチキンを焼いたものだったと思います。その際、私は贈り物は何も持参せず手ブラで行ってしまいました。ああいう時には、やはり何かちょっとした物でも持って行くべきだったんだなぁ、と長い年月を過ぎてから気が付いてしまいました。更に、奥様の作ったハーブチキンを食べ終わると、奥様が「もうひとつ如何?」と訊いてきました。こういう時は「美味しかった」ということを表すために、お代わりを断るべきではないのではないか、と私は判断して、「じゃあ、もうひとつ頂きます。」と答えたのですが、その際に、旦那の方の表情がサッと曇ったのでした。余分に作っておいたチキンは、もしかしたらこの旦那が翌日のランチに食べようと思っていたものなのかも・・・、と考えたのですが、今更断るのも変なので、私は2つ目のハーブチキンをパクパクと食べたのでした ^^;)

 長い月日が経った今でも、この時のことを思い出すと「随分と無礼なことをしてしまった」と恥ずかしい思いと申し訳ない気持ちでいっぱいになります。私が帰国してからは、旦那の方がトライアスロンの大会で自転車に乗っている時にクラッシュに巻き込まれて大怪我をして長期入院し、その際にお見舞金を贈ったぐらいで、それ以降、音信は途絶えてしまったのですが、今でも元気に過ごしているのかな、と気になり出しました。