『カササギ殺人事件(上)』

 昨年の冬あたりに書店で平積みされているのを見かけて、気にはなっていたものの、他にも読みたい本があったのでずっと後回しになっていた『カササギ殺人事件』という推理小説をやっと読み始めました。作者はイギリスのアンソニーホロヴィッツ。この小説は昨年の「このミステリーがすごい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、「2019本格ミステリ・ベスト10」、「ミステリが読みたい!」の全てにおいて1位に輝くという、史上初の「全制覇」を成し遂げました。これはかなり出来の良いミステリーなんだろうな、とは思いつつも、この作品の舞台となるのが1955年のイギリスの片田舎であり、そんな時代ですから当然パソコンもスマホも一切登場しないでしょうし、ハイテク機器が盛りだくさんのミステリーやスパイ小説を読み慣れた読者にとって、古い時代のミステリーが果たしてどこまで面白いのだろうか、みたいな危惧があったことがなかなか読もうとしなかった理由でした。

 そんな私の気が変わったのは久米宏さんのラジオ番組がきっかけでした。何週間か前ですけど、この小説を絶賛していたのを聞いて、やっと読む気になったのでした。久米さんは色々と仰ってましたが、その中のひとつに上巻の最後に「えええっ〜!!!」と驚嘆する事が書かれている、と言っておりましたので、何があるんだろう、もしかしてこの殺人事件の謎解きをしている主人公の探偵(不治の病で余命いくばくもない)が死んじゃって助手が代わりに事件を解決するのか、みたいなことにまで想像を膨らませて心の準備をしていたのですが、さすがに探偵が亡くなることにはならず、それなりの驚きとともに上巻が終わり下巻へと続くのでありました。他の本数冊と並行して読んでいるので、下巻を読み終わるのがいつになるのかわかりませんが、名探偵の推理にドキドキしながら読み進んでいきたいです。

 

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)