バニラ

 Newsweekにバニラの価格が高騰しているという記事が載っていました。それによりますと、2014年頃までは1キロ20ドル前後で取引されていたのが、その後価格が上昇し、2018年には1キロ約600ドルにまでになり、これは銀の価格(1キロ528ドル)よりも高くなったというから驚きます。価格高騰の原因は、世界的なオーガニックブームで需要が増えたこと、更に中国などの新興国の生活水準が上がったことがこれに拍車をかける形となりました。それに加えて、バニラビーンズの最大の生産国であるマダガスカルが2017年と2018年の2年連続で巨大サイクロンの被害に見舞われてしまい供給量が減ったことが挙げられます。

 もともと、バニラ風味のアイスやお菓子に本物のバニラが使われていることは少なくて、バニラ特有の香気成分である「バニリン」という物質を化学的に合成したものが使われたり、あるいは本物のバニラと併用している場合が多いようです。例えば、チョコレートにもバニラの香料は使われますが、本物のバニラは一部の高級なチョコレートには使われるのでしょうが、一般的には合成香料が使われることが多いようです。普段口にしているバニラ風味の食べ物の中で、本物のバニラが使われているのは僅かしかないと思われます。