おかげ犬

 江戸時代には伊勢参りが大ブームだったそうで、せめて一生に一度でいいから伊勢に行きたいというのが人々の大きな願いでした。しかし、年齢的なことや体が弱いなどの理由で自分では伊勢へ行けない人もいました。そういう人たちは伊勢への思いを犬に託し、自分の代わりに犬に伊勢参りをさせるようになり、これが「おかげ犬」と呼ばれていました。初めは知人や近所に住む伊勢に行く人に同行させたりしていたのですが、そのうちに犬だけで伊勢まで行くようになったのだとか。伊勢参りの犬だということが分かるように、道中で必要になるであろうお金や代理で参拝する旨が書かれた書状を首に付けたしめ縄に括り付けたのだそうです。このお金を盗んでやろうという不届き者は不思議といなかったそうで、むしろ見ず知らずの人々がリレー式に犬を伊勢まで連れて行ったり、寝る場所や餌を犬に与えることすらしたそうです。伊勢神宮に到着すると、犬の首に付けてある竹筒の中に神官が御神札を入れてやり、それが済むと犬は主人の待つ場所へ帰っていったのでした。

 私も、これまでに何度か伊勢神宮へ参拝に行っておりますが、自分のためというよりは、親類の受験とか健康祈願とかのために代理で御祈祷を受けに行くことの方が多かったので、私自身がある意味「おかげ犬」みたいなものなのかもしれません ^^;)

 

 その「おかげ犬」をモチーフにしたグッズはいろんな物がお土産屋に売っているようですが、今回私は「おかげ犬サブレ」というお菓子を買いました。さほど甘さが強くなく、小麦やバターの風味がしっかりしていて、割と美味しかったです。

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