September

 先週の金曜日の夜だったと思うのですが、枕元のラジオをつけっぱなしにして、いつの間にか眠ってしまいました。途中で眠りが浅くなった時に、ラジオから音が聞こえてくる音に気がつきました。NHKラジオ第1放送でしたので『ラジオ深夜便』という番組だったはずです。パーソナリティのトークの合間に幾つか曲がかかりました。竹内まりやの「SEPTEMBER」に続いて、昭和のアイドル歌手の「九月の雨」という曲が流れました。他にも何曲か流れたのかもしれませんが、寝ぼけていたのではっきりとは覚えていません。どうやら「9月」にまつわる歌を選曲したようでした。でも、そういう特集をするなら9月になったばかりの頃にやるべきで、20日も過ぎてからやるというのは何とも間が悪いなぁと思いました。そういう9月の曲を立て続けに聞いて思ったのは、9月というのは「終わり」とか「別れ」が歌われることが多いことで、これは「秋」という季節が「悲しみを含んだもの」というイメージが共有されているからこそ成立するのでしょう。

 一方、欧米では9月は学校の新学期が始まるシーズンなので、「何かが新しく始まる」みたいな感じの曲が多いのではないかな、という気がしたので、洋楽で9月に関する曲を思い出してみました。真っ先に思いついたのはアース・ウインド&ファイアの「September」という曲。これは曲調はリズミカルで明るい感じがします。歌詞の内容は、9月に出会った女性に12月になってもまだ激しく思いを募らせている、というもので、「何かが新しく始まる」というのとはちょっと違いますが、日本の歌謡曲のようなジメッとした感じはありません。

 それから、私が大好きなGreen Dayというパンクロックバンドの「Wake me up when September ends」というのも9月の曲でした。これはちょっと哀しい曲で、少年時代、夏が終わった後にやってくる9月には、色々と辛い出来事があって、思い出すと気が滅入ってくるので、9月が終わって季節が変わるまで眠ってしまっていたいよ、という内容です。

 こうしてみると、欧米でいくら9月が新学期のシーズンだからと言って、日本の4月のピカピカの新学期が始まる、みたいなイメージとは異なっていて、やはり幾分憂いを含んだものなんだなぁ、と改めて気が付きました。


Earth, Wind & Fire - September (Official Music Video)