危機への対応

 先日、スーパーで買い物をした際、レジで私の前に並んでいた女性がマスクの箱(たぶん6箱ぐらい)を両手いっぱいに抱えていました。噂には聞いていましたが、新型肺炎対策として大量にマスクを買っていく人を目の当たりにしたのは初めてでした。その女性の順番がやってきて会計が始まり、レジの店員が「レジ袋は1枚5円です。」みたいなことを言っているのですが、どうやら客の女性の方は日本語が通じないみたいでした。初め見た時は普通の日本人かと思ったのですが、アジアの他の国から来ている人のようでした。東京方面ではマスクを段ボールごと買っていく人もいるようで、品薄状態が続いているらしいと聞きます。名古屋や岐阜はまだ大丈夫ですが、そのうちに店頭から消えているかもしれません。

 十数年前にSARSが問題となった際は、中国政府は自国内の感染者数やそれによる死亡者数をある程度正確に把握した上で外部に対しては小さな数字を発表していたのですが、今回の新型肺炎に関しては中国政府すら実態を把握出来ていないとも言われています。現在発表されている感染者数等の数字はあくまで医療機関を受診した人の数に基づいたものですが、実際には医療機関へ行けないまま重症化したり亡くなっている人がかなりの数にのぼっていると言う専門家もいます。

 中国政府は北京や上海を守るために、武漢は捨てたようですし、欧米の主要国は中国からの航空便を受け入れない決定を下しましたし、オーストラリアに至っては感染者を1,000キロ以上離れた離島に隔離しています。それなのに、日本はまだ甘い対策しか取っていないのがもどかしくて仕方がありません。中国とは海で隔てられているとはいえ、国内の感染者数はじわじわと増加していますし、本来なら国民の安全を第一に考えた対策を取るべきなのに、どこかに忖度したような、何処かから政治的圧力が掛かったかのようなことしか出来ていない現状には呆れたり憤ったりします。