あきらめる健康法

 この本の著者の小林弘幸氏は順天堂大学医学部の教授で、一般向けの書籍も多数あるようです。実際、本屋へ行くと小林教授の本がたくさん並んでいますが、テーマはいつも「交感神経と副交感神経のバランス」なので、どれか1〜2冊読めばだいたいのところはカバーできると思います。
 この本のタイトルである「あきらめる健康法」の「あきらめる」は、「全て投げ出して向上心も持たずに生きる→諦める」という意味では勿論なくて、ものごとの道理や自分が直面している問題点を「明らかにする→明らめる」という意味で、明らかにした結果、自分ではどうしようもないことに関してはそれ以上執着することを止めて、自分でコントロールできることにフォーカスするという意味です。この考え方自体は決して新しいものではなく、自己啓発系の本にはよく登場しますが、単なる精神論ではなく「好感神経と副交感神経のバランス」という医学的なエヴィデンスで裏付けされているという点で説得力があると思いました。