自転車通勤の健康効果

 ニューズウィーク日本版に、自転車通勤によりがんや心臓疾患のリスクが約4割低減されるとの研究結果についての記事が載っていました。これは英国のグラスゴー大学が行ったもので、20万人以上を対象に、まず通勤方法を尋ね、その後5年間の追跡調査を行いました。そして、他の要因(性別、年齢、既存の疾患、喫煙の有無、食習慣など)の影響を統計的に考慮した上で健康リスクを算出しました。結果は、公共交通機関や自動車を利用して通勤している人と比べ、自転車で職場に行っている人の方が、がんを発症させるリスクが45%低く、心臓病のリスクは46%低く、また死因に関係なく早死にするリスクは、自転車通勤をしている人の方が公共交通機関や車を利用して通勤している人と比べ、41%低かったそうです。
 徒歩で通勤している人にも健康面での恩恵が見られましたが、自転車通勤者ほどの効果は無かったそうです。徒歩よりも自転車の方が健康効果が高いのは、自転車の方が徒歩よりも運動強度が高いからだそうです。
 ただ、私の個人的な考えでは、運動強度は条件によるので、例えば平らな道がずっと続いているなら自転の方が運動強度は低くなりますし、欧米の自転車は自動車と同じ道を高速で走行するのに比べて日本はママチャリでゆっくり走るのが一般的なので、今回の研究結果をそのまま日本に当てはめることは出来ないと思います。
 また、こういう研究というのは、研究費を出すスポンサーがいるわけですが、仮に自転車関連の企業が資金を提供して行った研究だとすると、この結果には何がしかのバイアスがかかっているのではないかと勘ぐってしまいます。