『教団X』

教団X (集英社文庫)

　先日、知り合いと話している時に『教団X』という小説を薦められたので読んでみました。作者は中村文則で、この人は芥川賞を受賞しているので、やはり文学性の高い小説なのだろうか、と身構えて読み始めたのですが、そうではなくてかなりエンターテイメント性が高い小説でした。
　ふたつのカルト集団の信者の対立とそれに巻き込まれていく人たちを描いており、話が大きく展開していきますが、終盤は失速気味で、無理やり終息させた感じがしました。
　あと、登場人物が多いのですが、それらの人物像の書き分けが今ひとつで、読んでいて時々、あれっこれは誰だっけ？と思おうことが何度がありました。
　Amazonでの評価は賛否両論で、私は部分的に面白かったけど、よくわからないところもありました。他の作品も読んでみようかなと思っておりましたら、書店にこの作家の新作『R帝国』が平積みされていました。表紙のデザインが似ているし、何か繋がりがあるのかもしれません。

R帝国