かつての上司(2)

 お通夜や告別式は、よく考えてみたらそう頻繁に参列するものではなく、それらに関するマナーやしきたりについては、その都度周りの人に教えてもらったりしながら、取り敢えずその場は乗り切る、という具合でしたので、知らないこともたくさんあります。香典の袋の名前の書き方なんかもあやふやな知識しかないのですが、今回のお通夜に参列するに当たって初めて知ったのは、筆記用具は薄墨を使うということでした。誠に恥ずかしながら、この歳になるまで全く知りませんでした。それ専用の筆ペンも販売されているらしいです。

 仕事が終わってから電車を乗り継いで通夜が始まる15分ほど前に会場へ到着しました。何の疑いも無く、仏式だと思って数珠も用意して来たのですが、こちらのご家庭は天理教のようで、これも初めてだったのですが、神式に似たスタイルで通夜は進行していき、30分ぐらいで終わるのかと思っていたら45分ほどかかりました。お亡くなりになった方(かつての上司のお父様)は90代だそうで、随分と長生きされたのだなぁ。一度もお会いしたことは無いのですが、長い人生お疲れ様でした、という気持ちが湧いてきました。