下巻、そして映画

 

ハンターキラー 潜航せよ〔下〕 (ハヤカワ文庫NV)

ハンターキラー 潜航せよ〔下〕 (ハヤカワ文庫NV)

 

 8月19日のブログに『ハンターキラー』という映画の原作小説の上巻を読んだことについて書きました。その後、下巻も読みましたし、映画をレンタルで観ました。上巻では、ページ数の割には展開が緩慢な感じがしたと書きましたが、下巻では事態が急変し、ストーリーが目まぐるしく動き、アクション小説ファンとしては満足出来る内容になっていました。

 一方、映画の方は、登場人物の名前とか、大まかな設定は原作と同じなのですが、原作の大事な部分がバッサリ切り取られていたり、原作では最後まで生き延びたのに映画では途中で戦死してしまう登場人物がいたりして、原作とは似ているけど別の物語になっていました。映画の場合は、まず第一に時間の制約(1時間半〜2時間におさめねばならない)があるので、原作を忠実に映画化するのは無理があるので、別の物語になってしまうのは仕方がないのは理解できます。また、短い時間におさめようとすると、どうしてもストーリー展開の起承転結が「よくあるパターン」に陥ってしまい、結局平凡な映画になってしまうのは残念です。原作小説が星5つだとしたら、映画は星3〜4つかな。

 暫く前のブログで、『シューター』というアクションドラマに出てくる人物が、元特殊部隊という設定なのに、それを演じる役者が足腰を鍛えていないのがバレバレなので興ざめしてしまう、というようなことを書きました。この『ハンターキラー』も、もしかしたらそうかも、と心配していました。出演している俳優たちは誰でも知っている超有名人は一人もいなくて、それよりもワンランク下っぽい人ばかりでしたから余計に心配でした。しかし、この映画に登場したNavy SEALsアメリカ海軍特殊部隊)の4人の隊員達は皆、背が高くて体つきががっしりとしており、体の動きは速くてキレがあり、足腰もしっかりしていたので、これまでに私が映画の中で見た軍人の中では最もリアリティが高いと評価しました。この点に関しては星5つを付けても良いです。あと、潜水艦内部も実際のものにかなり忠実に作られているそうですし(メイキング映像で言ってました)、海面に近い深度を、潜水艦の上の方が出ている状態で進むシーンは、本物の原潜を使っているそうで、そのあたりはさすがアメリカだなぁ、と思いました。


【公式】『ハンターキラー 潜航せよ』4.12(金)公開/TVCM15秒