あの人は今(その後)

 1か月ほど前に小池龍之介というお坊さんのことをブログに書きました。小池さんは長年に渡り座禅瞑想を通して修行しており、解脱まであとちょっと、というところまで辿り着いたので、残りの部分を仕上げるために、座禅指導や本の執筆等を全て一旦ストップして、各地を放浪しながら修行を集中的に行うことにしたのでした。それが2018年9月のことでした。早ければ1年、長ければ7年でまた皆んなの前に戻ってきて、修行で得たものを伝えたい、と書いてました。しかし、放浪の旅に出てみると、ほぼ消滅したと思っていた心の弱さがまだ強く残っていることが分かりました。悪戦苦闘するも、遂には放浪を続けることを断念したのだそうです。それが2019年の3月だそうで、と言うことは、1か月前に私がブログに書いた時点では既に放浪は頓挫していたのでした。放浪に出る前は、解脱までの道のりの90%までは到達しているので、残りは10%だと思っていたけれど、実際にはまだ30%ほどしか進んでいなかったのだと分かったそうです。そのあたりの心情について語った音声ファイルがネットにアップされておりました。今後は、座禅などを含め、人に何かを指導するようなことは一切せず、他人との関わりも最小限にとどめる、と言ってました。

 結果的には、解脱目前だと大きなことを言ってたのに挫折したわけですが、それが理由で小池さんに幻滅してしまうようなことは全くなくて、普通ではなかなか出来ないことにチャレンジした精神は素晴らしいと思いますし、これをステップにして前進して欲しいし、これらの苦しい局面を体験した小池さんだからこそ伝えることが出来ることもあるでしょうから、いつの日かまた座禅指導や本の執筆を再開することを願っています。