としまいりの石

 学問の神様が祀られている神社と言えば、太宰府天満宮をはじめとする天満宮系の神社で、受験シーズンともなると合格祈願に参拝に来る受験生やその親がテレビのニュースで取り上げられていたりします。合格や学業成就に御利益がある神社は他にもあるようで、そのひとつが東丸神社(あずままろじんじゃ)です。東丸神社は京都の伏見稲荷大社の一角にありますが、伏見稲荷摂末社ではなく独立した神社であるとのこと。先日、伏見稲荷を参拝した際にこの東丸神社の中に入ってみましたところ、私の他に二人の参拝者がいました。二人とも高校生ぐらいでしたので、大学合格祈願に来ているようでした。一人は女性で、賽銭箱が設置されている場所の向こう側に立ち、両手を合わせてお祈りしていました。普通の人は賽銭箱のこちら側で参拝しますが、何か特別な許可を得て本殿のすぐ前でお祈りしているようでした。もう一人は男性で、手に何か棒のような物を持って鳥居と拝殿の間を往復することを繰り返していました。よく見ると鳥居の近くに「としまいりの石」と刻まれた石があり、その石と拝殿の間を往復していました。その場でスマホで調べてみましたら、「としまいり」とは自分の年齢の数だけ祈願を重ねることで、歳の数だけ竹棒を持って、御百度参りの要領で拝殿と「としまいりの石」の間を行ったり来たりして、拝殿で祈願する毎に竹棒を箱の中に一本ずつ納めてくるというものだそうです。こういうのは人の目がある場所でやるのは恥ずかしく感じることもあるでしょうし、自意識が強いこの年頃の若者は尚更かもしれませんが、その男子高校生は周囲のことなど気にする様子も無く淡々と「としまいり」を行っておりました。もしかしたら近所に住んでいる高校生で、毎日のように「としまいり」をしているのかもしれません。この男子や賽銭箱の向こう側で祈っている女子のことは全く知らない赤の他人ではありますが、合格するといいなぁと思いました。

 「としまいり」は心願成就の御利益があるので、受験生でなくても願いごとがある人であれば誰でも行ってよいようです。私もやってみようかと思ったのですが、大学受験生は18歳前後なので、18往復すればよいのでさほど時間は要しませんが、私の場合はもっと時間がかかってしまうし、祈願の時に手に持つ竹の棒の本数だって多くなるので抱えるのに大変そうだし、途中で落としたりしたら縁起でもないし、そもそも竹の棒の在庫が足らないかもしれないので、取り敢えずその時はスルーしました ^^;)  また機会があれば気持ちを改めて是非、とは思っております。

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