55年

 サントリーシングルモルトウイスキー『山崎55年』を6月末に発売するとの発表がありました。販売されるのは日本国内のみで、100本の限定販売、価格は1本300万円(税別)。前回の東京オリンピックが開かれた1964年以前の原酒を使用しており、サントリーとしては過去最高酒齢のウイスキーとなるそうです。ウイスキーを樽に入れておくのは場所も取るしコストがかかるということを考えれば、熟成年数に応じて価格が高くなるというのは分かりますが、300万円とは異様な高価格です。内容量は他のウイスキーと同じく1本700mlだとして、バーで飲む場合の標準的なワンショット(30ml)で割ると23.3杯分となり、300万円を23.3杯で割ると1杯当たり12万8,755円となります。

 こういう高価なウイスキーは投機目的で購入されることも多く、ワインのような温度管理も必要無いし、時間が経てば価格は確実に上がっていくので少なくとも銀行の定期預金よりは特だし、一般的な株式投資なんかよりも利回りが良いのかもしれません。

 ただ、風味に関して言えば、ウイスキーというのは年数が長ければ良いというものでは必ずしもないらしいです。随分前にバーへ行った際にマスターが言っていたのですが、何かの機会に50年物のウイスキーを飲んだら、それほど美味しくはなかったそうです。いわゆる「気が抜けた」みたいな風味で、ウイスキーとしてのピークを過ぎている感じがしたと言っていました。純粋に風味だけなら、18年とか25年あたりが美味しさのピークになるように思えます。