『拳銃使いの娘』

 書店の翻訳小説の新刊本の棚に並んでいた『拳銃使いの娘』という本が目にとまり、妙に面白そうでしたので読んでみました。「このミステリーがすごい!」の2020年版の海外編で第2位なのだそうですが、ジャンル的にはミステリーというよりはアクション小説だと思います。

 アメリカの裏社会を牛耳る男から主人公のネイトとその妻、そして娘に処刑命令が発せられます。刺客が向けられるのですがそれらを返り討ちにし、逆に相手の資産を襲って大きな被害を被らせて行くのだけれど・・・、というようなストーリーです。妻は早々にやられてしまい、ネイトと11歳になる娘が強力な組織を相手に戦います。著者のジョーダン・ハーパーは、日本の『子連れ狼』にも影響を受けたと巻末の解説に書いてありました。『子連れ狼』は原作を読んだことがありませんし、テレビドラマでも観たことが無いのでどんな話なのかよく分かりませんが、映画『レオン』を彷彿とさせるストーリーであるように感じました。

 著者は、もともとはアメリカの人気テレビドラマの製作に関わった人で、確かにこの『拳銃使いの娘』はテレビドラマ的な感覚の小説で、そのままドラマ化してネットフリックスで配信したら人気が出そうです。しかしその前に、また次の小説を書いて欲しいと願っております。

拳銃使いの娘 (ハヤカワ・ミステリ1939)

拳銃使いの娘 (ハヤカワ・ミステリ1939)