『ライアンの代価』

 スパイアクション小説が大好きな私は、特にマーク・グリーニーというアメリカの作家が好みで、彼の作品についてブ以前ログに書いたことが何度かあります。その彼の作品の中で、数年前に購入したものの、途中まで読んでそのまま放置してあった本がありました。『ライアンの代価』というタイトルで、アクション小説の巨匠であるトム・クランシーとの共著です。新潮文庫で、4巻に渡る長編小説で、当然のことながら第1巻から読み始めたわけですが、あんまり面白くなくて途中で読むのをやめてしまいました。しかし、最近になって、やはりこの作品も読了しておきたいと思い、ゴールデンウィークの後半頃から続きを読み始めました。やはりあまり面白くないなぁと思いつつも読み進めていると、第3巻に入ったあたりから物語が急に動きだし、俄然面白くなりました。「共著」というのが具体的にはどういう風に行われるのかは分かりませんが、私の想像では、この作品に関しては、前半をトム・クランシーが書き、後半(文庫版の第3巻以降)からマーク・グリーニーにバトンタッチしたので、そこから急にストーリーが躍動感を増し、活き活きしてきたのだと思います。今はまだ第3巻を読み終わったところなのですが、早く最終巻を読みたくて仕方がありません。その一方で、これを読み終えてしまうと、マーク・グリーニーの作品で未読のものが少なくなってしまうのが惜しい気がしますので、ゆっくりと味わいながら読みたいです。

 

 ↓『ライアンの代価』の第1巻の表紙。

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 帯に「映画上陸 話題沸騰!」と書いてあるのを目にして、同時期に日本公開された『エージェント:ライアン』という映画の原作小説かと思って買ったのですが、映画と小説の内容があまりにも違うので「おかしいなぁ」と思ってよくよく調べてみたら、この映画は原作小説が無くて、主要な登場人物を小説から借りてきて作成したオリジナルストーリーとのこと。

 あと、新潮文庫トム・クランシーとマーク・グリーニーの本のカバー(表紙)の絵は同じ人が描いているのですが、下手過ぎるのがいつも残念に思います。