『火花』

 世間から随分と遅れましたが、又吉直樹さんの芥川賞受賞作『火花』を読みました。出版された順番は『火花』が先で『劇場』がその次ですが、私は『火花』を後で読みました。

 『火花』はお笑い芸人を目指して上京してきた主人公の徳永と、営業先で知り合った神谷との関係を描いたものです。目標を抱いて大阪から東京へ来たものの、なかなか思うようにはいかずに苦しむというあたりは『劇場』と同じですが、そうでありながらも「似たようなストーリーだな」という感じはあまりせず、これはこれで面白く読めました。ただ、どちらが好きかと言われれば『劇場』の方が個人的には好みです。

火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)