『スマホ脳』

 スウェーデン精神科医であるアンデシュ・ハンセン医師の『スマホ脳』という新書を読みました。書店では平積みされているし、新聞の下の段にも大きな広告が載っているし、アマゾンでも「ベストセラー」のマークが付いていますし、日本のみならず世界的に相当売れているみたいです。私としてはハンセン医師の前回の著作『一流の頭脳』がとても面白かったので、かなり期待して読み始めたのですが、その期待を裏切らない面白さでした。前作と通底しているのは、社会が急激に進歩しても人間の身体のメカニズムは何万年も前にサバンナで暮らしていた頃と変わっていないために上手く適応できず様々な不具合が生じる、ということです。そしてその不具合を解消するための有効な手段のひとつとが「運動」であることも前作と同様でした。今回はスマホの弊害にフォーカスしており、スマホユーザーとしては耳が痛い話が多かったのですが、じゃあ明日からスマホを使わないようにしようとは思わないところがスマホの怖さです。そして大人よりもむしろ子供を含めた若い世代に対する影響はずっと大きくて、このままで大丈夫なんだろうかと心配になりました。だいたい、スマホを創った故スティーブ・ジョブズ氏は自分の子供達に対してはスマホの利用を厳しく制限していたというから驚きます。

スマホ脳(新潮新書)

スマホ脳(新潮新書)