こんなところにもコロナの影響が

 化学分析ではピペットを使う機会がそれなりに多くて、昔ながらのガラスのピペットもいまだに使われておりますが、ピペットマンなどの使い方が簡便な器具も登場機会が多いです。理系の大学であれば実験授業で使ったことがある人も多いかと思います。

 このピペットマンタイプの器具の先に「チップ」と呼ばれるプラスチックの細い管状の物体を装着し、液体を吸い上げて試験管の中に吐き出したりするわけです。ちなみにチップは使い捨てです。

 このチップの残りが少なくなってきたので、業者に注文したら納期が11月末から12月になりそうだとの返答があり、驚いてしまいました。チップにも色々な種類があって、アマゾンで入手できるものもありますが、品薄のチップもあるようです。これもコロナの影響なんだそうですが、よく考えればなるほど確かにこういう器具の需要は高まるよなと今になってみれば分かるのですが、コロナが世界中に広がりだした初期の段階ではそんなことまで思いが及ばなかったことが悔やまれます。目端が利く人であれば、すぐにピンと来て必要分は確保していたんだろな。あとは実験用のラテックスの手袋なんかも需要は高まっていそうです。予防接種の注射を打つ医療従事者が必ずはめていますから。ただこちらは今のところさほど入手困難ではないようです。チップは用途や分野が限られ、そのため市場規模が小さいので急に需要が高まると生産が追いつかなくなるのに対し、手袋の方は様々な分野で使用されているので生産規模がもともと大きいからなのかもしれません。