乾燥納豆

 先日、車で移動中にラジオをつけたらNHKのFM ラジオ番組に発酵学で有名な小泉武夫東京農業大学名誉教授が出演しておられました。小泉先生のお話の中に次のようなものがありました。農大の教授時代に、研究室の学生達を連れてメコン川流域に学術調査へ行った際、現地の発酵食品(豚肉を発酵させたもの?)を食べた学生達は皆お腹を壊したのに、小泉先生だけは同じ物を食べても全然平気だったそうです。小泉先生がなんともなかったのは普段から納豆を食べているからだと。納豆菌によって免疫力が高められていたのだと小泉先生は力説していました。先生は海外へ行く際、さすがに生の納豆は持っていけないので乾燥納豆を大量に持参して毎日ボリボリと食べていると仰っていました。それを聞いた私は、特にメコン川流域に出掛ける予定は無いのだけれど、納豆にそんな効果があるのなら積極的に摂取してみようと思い、アマゾンで乾燥納豆を買ってみました。ひとくちに乾燥納豆と言っても、納豆を天日で干したもの、フリーズドライにしたもの、油で揚げたものなどがあるようです。フリーズドライや油で揚げたものはサクサクした食感で食べやすいみたいですが、今回私は敢えて昔ながらの製法で作られた天日乾燥の納豆を選びました。届いた乾燥納豆は、見た目は全然美味しそうではないし、人間の食べ物というよりはドッグフードみたいだし、実際にこれを犬に与えたら喜んで食べそうな気がします。そんな乾燥納豆を口に入れてみるとかなり硬くて、歯が弱い人には向いていないのですが、私は硬いものが割と好きなので、少しずつ口に入れては時間をかけて噛んで食べました。これで私の胃腸の免疫力が向上すれば嬉しいですし、納豆にはナットウキナーゼという血液をサラサラにする酵素が含まれているし、大豆自体が良質なタンパク源なので身体に良さそうです。乾燥することによって納豆菌が働かなくなってしまうのでは、と思って調べてみると、納豆菌は芽胞と呼ばれる丈夫な殻に包まれているので、乾燥しても真空でも生き延びるし、マイナス100℃の低温から100℃の高温に晒されても死なず、胃液のようなpHが低い環境でも死なないとても強い菌なのだそうです。暫くはこれをおやつ代わりに食べて、自分の身体に何か良い変化が起こるのかどうかを観察したいです。