グレイマン

 マーク・グリーニーのグレイマン・シリーズの最新刊『暗殺者の献身』を読了しました。この作品は記念となるシリーズ十作目にして「最高傑作!」と文庫本の帯に書かれているので、大きな期待を胸に抱きコーフンしつつ読み進んでいきました。しかしながら、上下巻合わせて900ページ弱に及ぶ長編なのですが、最後の100ページに入ってからようやく見どころらしい見どころがやってくる程度で、それ以外はそれほど面白いとは感じませんでした。シリーズ物も10作も続くと流石にネタが無くなってくるのかもしれません。マンネリを脱するために主人公の腕利きの暗殺者が女性と恋に落ちるという展開にして変化を付けようとしていますが、取って付けたようで、いまいち功を奏していません、つまりそれによってストーリーに幅ができたり面白くなってはいませんでした。個人的にはこの作品をもってグレイマンシリーズは卒業しようかなという気になりました。と言いつつ、このシリーズが映画化されて2022年にネットフリックスで公開されるので、そちらは是非とも観てみたいです。