ドクター・ペッパー

 コカコーラの自販機に並んでいる飲料の中にドクター・ペッパーを見かけることがあります。学生の頃にドクター・ペッパーを何度か飲んだことがありますが、何だか小児用の飲み薬のような風味で、あまり美味しいとは思わなかった、いや、どちらかというと不味いと思ったように記憶しております。そう思ったのは私だけでなく、友達の中にドクター・ペッパーが好きだという人は1人もいませんでした。

 アメリカに住んでいた頃、日本でよりもたくさんドクター・ペッパーを見かけましたが、わざわざ買って飲むようなことはありませんでした。ある日、同じ研究室の院生のスコット君(当時20代のアメリカ人)がドクター・ペッパーを飲みながら「ドクター・ペッパーって美味しいよねぇ。こんな美味しいものって他にないよねぇ」と幸福そうな笑顔を浮かべながら私に話しかけてきました。あっ、そうなんだ、アメリカ人っていうのはこれを美味しいと感じるんだぁ。国や人種が違えば風味の好みも違ってくるんだな、というよりは、アメリカ人の味覚ってやっぱりどうかしてるよなぁ、どうりでアメリカのメシは不味いわけだ、というのが私の偽らざる感想でした。あと、アメリカにはルート・ビアというソフトドリンクがあって、風味はドクター・ペッパーに似ているのですが、こちらもアメリカ人には人気のようでした。

 そんなドクター・ペッパーを名古屋の街中にある自販機で見かけたので、久しぶりに飲んでみました。不味くはないのかもしれませんが、甘味が強過ぎるのは確かで、今時ここまで甘い飲み物は珍しいです。たぶん、もう買うことは無いとは思うのですが、こうして自販機で売っているということは、日本人の中にもこの飲料が好きな人が一定数いるということなのかな。