おこわ

 うるち米ともち米のどちらが好きかと問われれば、もち米の方が好きで、あのモッチリした食感が大好きです。もち米を使ったコンビニおにぎりと言えば、「赤飯おこわ」で、これはどのコンビニにも定番として棚に並んでいます(ただし、風味はそれぞれ微妙に異なりますが)。ローソンには赤飯おこわの他にも3種類ほどおこわのおにぎりがあって、その中でもシラスと野沢菜が入ったおこわおにぎりはたいへん美味で、会社でのお昼ご飯用によく買ったものでした。しかし、そのおこわシリーズは期間限定販売だったのか、暫く前に姿を消してしまい、赤飯おこわだけが残りました。個人的にはまた復活させて欲しいです。

 おこわや餅のような食感は、日本人の多くが好むものですが、国がかわれば好みもかわるようで、アメリカに住んでいた頃にそれを感じました。アメリカの大学院の研究室で、被験者に栄養素やカロリーをコントロールした食事を食べてもらい、体内のある酵素の働きがどのように影響されるか、という実験を行いました。食事は毎回こちらで用意したものを食べてもらうのですが、その中に白米を炊いたご飯がありました。お米は当然ジャポニカ米だと思っていたら、私の担当教授が買ってきたのがインディカ米で「このお米の方がネチネチしてなくていいだろ?」と私に言いました。教授としては粘り気が無いインディカ米の方が美味しく感じるようで、そんなの当たり前じゃないかと言わんばかりでした。あ〜あ、これだからアメリカ人は分かってないんだよぁ、インドのカレー(日本のカレーではなくて)と一緒に食べるならインディカ米の方が相性が良いのかもしれませんが、白いご飯として食べるなら、ジャポニカ米の方が美味しいに決まっているのになぁ、全くアメリカ人というのは「米国」などとお米の国みたいな漢字が当てられているけれど、お米のことなど全然分かっていないんだなぁ、と思ったのですが、ボスである教授に逆らうわけにもいかず、その場は適当に受け流しました。しかも、そのインディカ米を当然炊飯器で炊くのかと思ったら、耐熱性のガラスのボウルに米と水を入れて、それをガスオーブンで加熱するというものでした。そんな炊き方で美味しいご飯ができるわけがないだろう、とお米の国である日本の代表として憤慨するというか呆れてしまったのですが、まあ、私が食べるわけではないからいいか、と思って、教授に抗議することはしませんでした。そして、米に関する日本の伝統や文化の奥深さにあらためて気がついたのでした。