野良猫

 毎朝通勤の際、自宅から最寄りの駅までは自転車をこいで行きます。途中、神社の前を通るのですが、その周辺で毎朝見かける人がいます。30代後半ぐらいの女性で、トレーニングウエアっぽい服装でウォーキングをしているように見えます。先日、その女性が神社のすぐ隣の駐車場に停めてある車の脇にしゃがみ込んでいました。どうしたんだろう?と思ってよく見てみると、その女性はポケットから何やら取り出してアスファルトの上にパラパラと落としました。すると車の下から猫が出てきてガツガツと食べはじめました。つまりは、その女性は毎朝野良猫にキャットフードを与えているのでした。一方、すぐ近くには神社があり、野良猫には困っているようで「猫にエサを与えないで下さい」と書かれた大きな看板が数箇所に設置してあります。その女性は当然その看板を見ているはずなのですが、エサを与えるのをやめるつもりは無いようです。それどころか最近になって賛同者(同じくウォーキングを日課にしている女性)を得たようで、2人でエサを与えるようになりました。神社の管理人が神社の周囲の道路を竹箒で掃除しているのですが、以前はそんなことをしていなかったのに、最近になって急に始めたのは掃除をするのが目的ではなく、猫にエサを与えている輩がいないかを監視しているのだと思われます。そして神社のスタッフが近くにいないタイミングを見計らって女性達は素早く猫にキャットフードを与えているようでした。もしかしたら、1人がエサを与えている間、もう1人の女性は見張り役になっているのかもしれません。

 野良猫は神社に住みついているようで、エサをもらいに毎朝駐車場まで来ているようでした。神社内ならともかく、神社の外で猫にエサを与えることを神社側が阻止できる法的根拠はありません。ただ、実際に野良猫は神社に住んでいるわけだから、神社が迷惑を蒙っているのは事実です。

 確かに、野良猫、特にそれが子猫の場合は尚更、かわいそうだな、助けてあげたいなと思うのは人として自然なことかもしれません。しかし、エサを与えることによって生じる被害(今回の場合ですと神社が野良猫によって汚される)のことを考えると、安易にエサを与えるべきではないと道徳的に判断し、大抵の人はエサを与えたりはしないのでしょう。ところが、中には今回のようにエサを与える人がいます。こういう例は時々見受けられますし、野良猫ではなく鳩にパンを与えている女性もこの神社の近くの公園で見たことがあります。そういうことをするのは決まって女性です。全てが女性ではないのでしょうけど、大多数は女性と言ってよいでしょう。差別するつもりは毛頭ありませんが、客観的事実として女性ばかりなのは、いわゆる母性本能と何か関係があるのかもしれません