『共感ベース思考』

 以前、このダイアリーで取り上げたことがある名古屋にある魚屋の二代目の綺麗なお姉さんが、このたび本をお出しになりました。これは絶対に買って読まねばと思い、先日の仕事帰りに駅前の大型書店へ行きました。書店へ行く道すがら、著者がビジネスを営んでいるのは名古屋だし、そういった地元民を応援する意味で書店としてはこの本の出版を大々的に祝っているに違いない、と想像していました。おそらく入口付近の目立つ場所にドーンッと平積みされていて、派手なポップが立ててあってもおかしくないし、ひょっとしたらサイン会のお知らせなんかがあるかもしれないし、早く行かないと売り切れているかも、こんなにソワソワして書店へ行くのは村上春樹の本が出た時以来かも、などと考えながら早足で歩いていって書店へ到着。しかし、私の予想に反して入口付近に平積みされてはおらず、ビジネス書の棚にも見当たりませんでした。おかしいなぁと思い、店内に設置してある端末で調べてみると、その本が置いてあるのは水産業関係の棚でした。そして端末のディスプレイに表示されている在庫数の項目をみると「1冊」となっていました。えっ?たった1冊?それはたくさん入荷したけど売れに売れて1冊しか残っていないのではなく、最初から1冊しか仕入れていないような雰囲気でした。えっ、まじ?ちょっと店長、出てこいやー、と憤りが湧き上がってきましたが、勿論、店長を呼び出して苦情を申し立てるようなことはせず、大人しく買って帰り、一気に読みました。古い体質が色濃く残る「魚屋」と言う分野に、いかにして新しいビジネスモデルを取り入れるかに苦労した話が大部分を占めていましたが、参考になることも幾つかありました。