第4巻

 だいたいにおいて本というものは買ったらすぐに読み始めるのがベストで、例えば会社から帰る途中に駅前の書店で買った本は電車の中で即座に読むといった具合に。何故ならば、買った時が「読みたい」という欲求が最も強く、このタイミングを逃すとその本に対する興味が徐々に薄らいでいき、新たに見つけた他の本へ目移りしてしまって結局それっきり本を手に取ってページを開くことはなく「積読」になってしまうからです。

 しかし、買ってから時間が経っても「読みたい」欲求が全く弱まらず、読みたくて仕方がない状態が継続し、むしろ読み終えてしまうのがもったいなくて、まるで高級なウイスキーを少しずつ飲むかのように、ちょっとずつ読む本もあります。私にとってそれは村上春樹の本であり、最近になって新たに加わったのが『ザ・ファブル』という漫画です。その『ザ・ファブル』の第2部(The second contact)の第4巻が数日前に発売され、発売日に電子版をダウンロードしておいたのをゆっくりと読みました。第1部に比べるとアクションシーンが少なくてヤキモキしていたのですが、ここへきてようやく水面下で何か大きなものがゆっくりと動き出したかのような感覚があり、静かな興奮を感じながらページをめくっていきました。次巻を楽しみに待ちたいです。