IoT

 世の中の流れなのでしょうが、うちの会社でもペーパーレス化が進められており、従来は紙の書類だったものが電子化されるようになりました。例えば稟議書なんかは、大昔は紙に手書きだったものが、紙にワープロで印字するようになり、現在ではパソコン上で作成して上司や関係者に回して電子的に捺印するようになりました。また、勤怠の管理は、昔は紙に書かれたものを最終的には総務部でパソコンに入力して管理していたのですが、社員が自分でパソコンに入力するようになりました。そして、例えばその勤怠管理のシステムは以前は自社のサーバーに保管されていたのですが、それがクラウド上に保管されるようになったので、社員は各自のパソコンからまずインターネットに接続して勤怠管理やその他のアプリケーションを起動して入力するようになりました。このように、会社の業務のいろんな部分が当たり前のようにインターネットに繋がっていくのはメリットが多いのかもしれませんが、もしも何らかの障害がネット上で発生するとたちまち業務が止まったり、記録が失われてしまう危険性もはらんでいます。勿論、何かあった場合に備えて、バックアップしているのでしょうけれど。そんな心配をするのは、先月読み終えた『大統領失踪』という小説で、まさにインターネットが機能しなくなるかも、という問題が取り上げられていたからです。小説の中ではハッカーが特殊なコンピューターウイルスを仕掛けることにより米国のインターネットが機能を停止してしまうようにして、インターネットに繋がったあらゆるものが無力化し、軍隊も機能しなくなったりして他国から攻撃され放題な状態になるかも、という危機的状況が描かれていました。これは決して絵空事ではなく、実際に起こっても不思議ではありません。従って、何でもかんでもインターネットに繋がる社会というのは、脆弱性の上にかろうじて成り立っているという認識を持ち、危機感を抱く必要性を強く感じました。