カンニングのようでカンニングでない

 まず初めに言っておきたいのですが、私はあらゆる試験において、大抵の人がおそらくそうであるように、いわゆるカンニングをしたことは一度もありません。しかしカンニングペーパーを作ったことはあります。何か小さな紙だとか、鉛筆の側面とかにどうしても暗記できない数式とかを小さな文字で書くのです。でも、このカンニンググッズは試験の時には使用しませんし、学校だとか試験会場へ持っていくことすらせず、家に置いていきます。ポイントは、カンニングペーパーを作っていると凄くドキドキするので、そういう状況で数式などを書いたりすると、ただ漠然と暗記するのに比べると格段に記憶に残るのです。

 高校生の時に代ゼミの夏期講習だかを受講した際に、物理の講師がカンニング的なテクニックを伝授してくれました。物理では色々と複雑な公式が出てきて、大雑把には記憶できても、公式の係数や、xの何乗だったかとか細かい部分については暗記できないこともあります。そこでその講師が教えてくれたのが、その数字を手とか指とかにマジックで小さく「3」とか「5」とかを書いておく、という方法です。仮に試験会場の監視員に見つかったら、「これは僕の彼女の誕生日の日付です。彼女の誕生日を自分の手に刻んで何がいけないんですか!」と言い張ればいいと。あるいは「これは3年前に他界した母の命日なのです・・・」と、うっすらと涙を浮かべながらか細い声で言えば、それ以上追求されることもないでしょう。さすがに公式そのものを書いてしまったら完全にアウトで見つかれば失格ですけど、数字だけなら言い逃れはできそうな気がしないでもないかも。

 現代はテクノロジーが進化しているので、試験会場ではどんな対策をしているのかなと昨日の試験を受けるに際して興味を持っていたのですが、もちろんスマホの持ち込みはダメで、時計も外して、全て鍵の付いたロッカーへ入れておくように言われました。確かにアップルウォッチならメールやLINEのアプリが使えるので、カンニングする内容をあらかじめメールやLINEに書いておけば試験中に時間を確認するふりをして見ることができてしまいますので。