『三流シェフ』

 色々とあってバタバタした一日でしたが、敢えてそれとは全く関係の無い最近読んだ本の話を。何か面白そうな本はないかと、書店の中をゆっくりと見て廻っている時には、出来ればスパイアクション小説のようなエンターテイメント性の高い本が見つかることをまず第一に期待してはいますが、それ以外のジャンルであってもフィクションであれノンフィクションであれ、「おっ!これは何だか面白そう!」と感じる本と出会うことを望んでいます。先日もそんなふうにして書棚の間を巡っていると平積みにされた本の表紙が目にとまりました。どうやらフランス料理のシェフである三國清三さんの自伝のようです。私の極めて個人的な偏見に基づく好みで言うと、料理人というのは一流であれ、そうでなかれ、偏屈な人物が多くて好きになれません。ところが、三國シェフのこの本の表紙を見た瞬間、「この本は絶対に読まねば!」とビビッと来たので、迷うことなく手に取ってレジへ向かい、帰りの電車の中で早速読み始めました。本というのはかなり好みが分かれるもので、いくら自分が面白いと思っても他の人が同じくらい面白いと思うとは限らないものですが、この本は本当にドラマチックで、そのままNHKの『土曜ドラマ』の枠でドラマ化したら絶対にヒットすると思いました。若き日の三國さんのギラギラした情熱がビンビンと伝わってきました。もう一度読み返してみたいです。