オレゴンに住んでいた頃、タトゥーをしている人をよく見かけました。日本だと、タトゥーを入れるという行為は「(たいていは良くない方向へ)一線を越えてしまった感」がどうしてもつきまとうものですが、アメリカの場合は少なくとも日本よりはもっとカジュアルな感じで、周りの普通の学生の中にもワンポイントのタトゥーをしている人がチラホラいて、特に夏になって肌の露出が多くなると「ああ、この人はこんな所にタトゥーしてたんだぁ」と気が付くこともありました。
また、ロックミュージシャンがワルっぽさを演出するために派手なタトゥーを入れるというベタで古典的な手法は健在ですし、NBAのプロバスケットボール選手においてはタトゥーをしていない人の方が少ないのではと感じるほどですし、ハリウッドスターがちょっとしたタトゥーをしているのも珍しくありません。もしかしたら、歴代のアメリカ大統領の中にもタトゥーを入れていた人がいたかも、とさえ思います。
そういう「タトゥー、全然OK」という社会環境にいると「私もタトゥーのひとつぐらい入れてみようか」という考えが頭をかすめたこともありました。しかし、なんだか痛そうだし、「これは!」というデザインに巡り合うことが無かったこともあり、結局は何もしませんでした。しかし、今にして思えばそれで正解でした。というのは、日本のスポーツクラブとかプールとか温泉施設などの入口には必ずと言ってよいほど「刺青(ワンポイントのタトゥーも含む)の方の入場はお断りします」といった文面の掲示があるからです。スポーツクラブとか温泉に入れない人生なんて考えられない私としては、「あの時、タトゥーを入れなくてよかったぁ」とつくづく思います ^^;)