古いアルバム

 我が家のすぐ隣には、かつて住んでいた古い家がまだそのまま残っています。両親としては、私が結婚した時に家を建てられるよう、土地はそのままにしているのですが、私がいくつになっても結婚しないものですから、その古い家は今では物置のように使用されています。

 昨年の東北の震災以降、私が住んでいる地域でも家屋の耐震性に関する規則が厳しくなったようで、うちの古い家は耐震補強工事をしなくてはならなくなりました。それに伴い古い家の中を整理していたらいろんなものに混じって昔のアルバムが何冊か出てきました。その中には姉が産まれた時の写真もありました。
 私には姉と妹がいて、妹が生まれた時は私は「お兄ちゃん」としてその場にいて、それ以降ずっと一緒に育ってきたわけですから「血が繋がった兄妹」という意識が強くあります。でも、姉の場合はそうではなく、当然ながら私が生まれる前から既に「長女」として存在していたわけで、彼女が赤ちゃんの頃の様子などは知りようもありません。そして、私と妹は顔がよく似ているのに対し、姉は全然違う顔をしています。更に決定的なのは、姉が赤ちゃんの頃の写真が全く無いということでした。そんなことから「この姉は、実はワケあってどこかヨソから来た子ではないのか・・・」という疑惑が随分と前から私の心の片隅にありました。

 ところが、今回の古い家の整理で出てきたアルバムには姉が赤ちゃんの頃の写真がしっかりと収められていました。私や妹が赤ちゃんだった頃に撮られた写真の枚数なんかよりずっと多く、生まれてから2〜3か月の間に撮ったと思われる写真が100数十枚もありました。「なぁ〜んだ、やっぱりウチの子だったんだぁ」と長年くすぶってきた疑惑が晴れ、サッパリとした気分になりました ^^;)

 それにしても、「写真って、いいものだなぁ」とあらためて感じました。これが動画だと、いちいち再生装置の電源を入れて記憶媒体を入れてといった作業が必要ですし、観たい場面をサーチするのも面倒なのですが、写真ならパッとアルバムを開けば済むというアクセスの良さがあります。それに、ビデオテープ、DVD、ブルーレイなどと記憶媒体も変化するので見たいと思った時には既に再生装置が無いということもあり得るのですが、写真ならそういった心配もありません。変化の早いデジタル&ハイテク時代におけるアナログ&ローテクの強みを実感しました。