毎週月曜日の夜8時からNHK総合で放送されている『鶴瓶の家族に乾杯』という番組は、観たいなぁと思いつつも、平日の8時までに帰宅していることはまず無いので、観られないことがほとんどです。それでも、大好きな人がゲストとして出ている時とか、番組で訪れる場所が行ったことがあったり、いつか行きたいなと思っている場所である場合は、録画しておいたり再放送を観たりします。今回(5/12)の放送は静岡市葵区が舞台で、静岡は大好きなので是非観たいと思い、再放送(5/15の深夜)を観ました。これはあのあたりだなとか、へぇ〜こんなお店があるんだとか、楽しく観ることが出来ました。
番組の中で紹介された場所のうち、私がいちばん興味を持ったのが、ゲストの高橋一生さんが訪れたコーヒー豆の焙煎工房。コーヒー好きの私としてはやはり気になってしまいます。年配の御夫婦が経営しているお店で、店舗の中には小さなロースターが何台か並んでいるのが見えました。豆を焙煎して販売するのが専門で、カフェにはなっていないようでした。
最近はこういった「コーヒー豆の自家焙煎」というお店がやたらと増えたように感じます。ひと昔、ふた昔前だと、定年退職したサラリーマンが蕎麦打ち職人になって蕎麦屋を開店するというパターンがよく見受けられました。定年後に蕎麦屋を開業するためのノウハウを伝授する講座も各地で開催され、藍色の作務衣なんか着ちゃった中高年の蕎麦職人が大量に溢れていた時代がありましたが、今はそれがコーヒー豆の自家焙煎に取って代わられたのかもしれません。考えてみれば、蕎麦の場合は、蕎麦を打つだけでは商売になりませんので、お店を経営していくところまでやらなければなりませんが、コーヒーの場合は焙煎まででも大丈夫なのでしょう。カフェを開業するとなると、店舗となるスペースを借りたり買ったり、お店を運営していくためには諸々の事をこなさなければなりませんが、焙煎だけなら開業するのに必要な資金もカフェに比べたら少なく、リスクが小さいので始め易いのかもしれません。ただ、競争も今後ますます激しくなるでしょうから思うように売上を伸ばしていくのはたいへんでしょうけど。でも、そもそも定年後にこういう商売を始める人というのは、取り敢えず普通に暮らしていくのに必要な貯えはあって、これで大儲けしようと目論んでいるわけではなく、何にもしないで毎日ゴロゴロしているよりはコーヒー豆の焙煎でもやって小遣い稼ぎ程度にでもなれば御の字だ、と考えている人が多いのかもしれません。いずれにしろ、こういう環境の中から美味しいコーヒーが生まれるのであれば、コーヒー好きとしては嬉しい限りです。