箱根駅伝

箱根駅伝 (幻冬舎新書)

箱根駅伝 (幻冬舎新書)

 今年の箱根駅伝は、例年にも増して盛り上がったように感じました。箱根駅伝は野球でいえば甲子園みたいな位置付けで、学生の長距離ランナーにとっては憧れの舞台なのでしょう。
 かつては、いわゆる伝統校が強豪校であり、それなりの成績を修めていたのですが、近年は各大学が全国各地の高校から素質のある選手をリクルートして優秀なランナーに育て上げる動きが活発になり、駅伝の勢力図は今まさに群雄割拠の様相を呈しています。
 学生にとっては晴れの舞台、大学側にとっては学校の宣伝になり受験者数が増加して収入が増えるというメリットがあり、テレビ局としては視聴率が稼げるし、テレビで観ている視聴者も楽しめるので、お正月の一大イベントとしてすっかり定着しました。
 しかし、ひとつ残念なのは、箱根駅伝は1人当たり20km前後の距離を走るのですが、せっかく速いランナーが育ってもオリンピックの陸上種目に20kmが無いので、結局ここで終わってしまう選手が多いことです。長距離ランナーは、素質がある人は花形種目である駅伝へ流れてしまうので、マラソンの人材が育たないというのが現状のようです(女子の場合は事情が異なります)。せっかく磨き上げた能力ですので、大学4年生で終わってしまうのではなく、その後も活かせる種目があったらいいのになぁ、と思います。
駅伝がマラソンをダメにした (光文社新書)

駅伝がマラソンをダメにした (光文社新書)