『自信加乗』

自信加乗 ハーバードの論理力 マッキンゼーの楽観力 ドクターの人間力

自信加乗 ハーバードの論理力 マッキンゼーの楽観力 ドクターの人間力

 この本の著者の富坂さんは、順天堂大医学部を卒業後、都内の病院の産婦人科医として勤務していたのですが、日本の医療システムに疑問を持つようになり、解決策をみつけるべくハーヴァード大学の公衆衛生大学院で学び修士号を取得。帰国後はマッキンゼーに入社しコンサルタントとして働き、現在は産婦人科医として生殖医療、不妊治療、内視鏡治療などに携わっているそうです。

 ハーヴァードを出てマッキンゼーに入ってバリバリ仕事をしている人の本は、他にも何冊か読んだことがあるのですが、その中でもこの富坂さんのガンガン前へ進んでいく仕事ぶりは群を抜いていると思いました。

 いろいろと参考になることはあったのですが、それとは別に私が面白いと思ったのは、ハーヴァードの合格者の条件についてでした。ハーヴァード出身のある男性の話によると、同大学の合格者は次の3つのうちのいずれかを満たしていると言われているのだそうです。
    1.大学に1億円以上寄附する
    2.有名人である
    3.将来、母国で有望である
 ちなみにブッシュ前大統領は、父親が有名人だったうえに1億円以上寄附して入学することが出来たけれど史上最悪の成績で卒業したのだとか。
 1億円以上の寄附とか、有名人であるとかは別として、将来母国で有望、つまり卒業後に母国へ帰ってから活躍しそうな人を優先的に合格させるというのはユニークな選考基準です。同じ学校で机を並べて勉強していた学生が卒業後に世界各地へ散らばっていって、それぞれの国で例えば国家を運営するポジジョンに就いたとして、そういったハーヴァードの同級生どうしが国家の代表としてやりとりすればコミュニケーションもしやすく、問題解決に貢献するのではないかと思われます。そんな単純なものでないことはわかっていますが、政治とか外交というのはそういった側面も確かにあって、その影響力は決して小さくはないと思います。