ゲイシャ

 いつもは休日といえど何かと忙しかったのですが、今週は時間に余裕があったので久しぶりにお気に入りのカフェへ行ってきました。このお店のメニューは、オリジナルのブレンドの他に、その日に飲めるスペシャルティコーヒーの銘柄が記載されたメモ用紙サイズのプリントの束が付いてきます。私はブレンドではなく、毎回違うスペシャルティコーヒーをオーダーすることにしており、今回はパナマのチリキ県にあるラ・カルレイダ農園で収穫されたゲイシャ種を選びました。ちなみに「ゲイシャ」という名前は「芸者」ではなくて、この豆の原産地であるエチオピアのGesha(ゲシャ)という地名に由来するとのことです。
 さて、待つこと数分、マスターが丁寧にドリップしたゲイシャ種のコーヒーが私の目の前に運ばれてきました。ゲイシャ種というのは稀少な品種で市場に出回る量は少ないですし、1杯のお値段も他の銘柄よりも高いです。よく考えてみたら、ゲイシャ種を飲むのは今回が初めてでした。いったいどんな味がするんだろう、と思いつつ香りを嗅ぎ一口飲んでみて、その想像を遥かに上回る美味しさに仰天および感動しました。このカフェのコーヒーは厳選された良質の品種を独自のルートで買い付けており、どの銘柄もかなり美味しいのですが、このゲイシャ種は格別です。出来ればパナマの農園ごと買い占めたい気持ちなのですが、そういうわけにもいかず、取り敢えずは豆を買って帰ることにしました。他の豆はだいたい100gで500〜600円なのですが、このゲイシャ種は1800円もしました。それでもゲイシャ種としては安い方で、普通はもっと高いのだそうですし、この美味しさならそれぐらいの値段にも納得できます。
 ただ、ゲイシャ種といっても、農園や収穫された年の違い、精製・乾燥などの工程、船で輸送中の保管方法、そして輸入後の焙煎具合などによって風味は異なるでしょうし、仮にそこまでが完璧であったとしても、最後のドリップの仕方が上手でないと全てが台無しになってしまいます。ですから、たまたま入った喫茶店のメニューに「ゲイシャ」があったとしても、果たしてそれが最高に美味しいかどうかは保証できませんのであしからず ^^;)