中尊寺の中に松尾芭蕉の銅像がありました。恥ずかしながら、なぜここに松尾芭蕉の銅像があるのか、すなわち彼と平泉とのつながりを知りませんでした。そういえば高校の古文の授業で奥の細道を勉強した時におそらく平泉との関連についても触れられていたとは思うのですが、理系だったのでたいして力を入れていた科目ではありませんでしたし、高校卒業後にそういった知識が必要となることも全く無かったため、忘却の彼方に消えていってしまっていました。
思わぬところで教養の無さが露呈してしまったことにうろたえつつ、他の観光客が芭蕉の銅像に並んでピースサインなんかしながら写真を撮っている姿を見て「たぶんこの人たちも平泉と芭蕉の関係を知っているとは思えないな」と感じならが、急いでスマホで調べてみましたところ、松尾芭蕉、平泉、義経、そして「夏草や兵どもが夢の跡」といったこれまで断片的な知識でしかなかったものが頭の中でひとつに繋がり「なるほどそういうことだったのか」と、まるで推理小説のトリックのカラクリが種明かしされた時のような快感を覚えました。
私の高校の古文の先生は「翁」というあだ名のおじいさんで、彼の授業は退屈極まりなく、翁自身でさえ授業をしながら居眠りしたことがあるほどで、古文という科目を一生懸命勉強しようというモチベーションが湧いてこなかったのですが、社会人になってからその魅力がジワジワと分かるようになり、高校時代に戻ってもう一度勉強し直したいと思ったりします。