『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ [DVD]

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ [DVD]

 映画を紹介するラジオ番組で、映画パーソナリティのコトブキツカサ氏が推薦した『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』という作品をレンタルDVDで観ました。ジャンルとしてはドキュメンタリー映画であり、普段だったらおそらく自ら進んで観ようとはしないと思うのですが、コトブキ氏があまりにも強く熱く語るので、観てみることにしました。
 イギリスで「覆面芸術家」として活躍するバンクシーという人物がいます。彼の「作品」は、公共の建物や他の人の私有物である壁にスプレー缶で描くいわゆる「落書きアート」で、法的には違法なのですが、その創造性は高く評価されています。そのバンクシーアメリカ人の古着屋のオジサンでビデオカメラを片時も離さない映像マニアのティエリーが密着して映像記録として残そうとします。しかし、ティエリーが撮った映像があまりにもクオリティが低いため、逆にバンクシーがティエリーにアーティストになるよう仕向け、その様子をバンクシーがドキュメンタリーとして撮影し編集したのが、この『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』です。アートに関しては全くの素人のただの古着屋のオジサンが、あれよあれよという間にアーティストになっていく過程についつい身を乗り出して見入ってしまいました。このドキュメンタリーには様々なメッセージが込められていて、いろいろと考えさせられる映画であり、『イグジッット・スルー・ザ・ギフトショップ』という奇妙なタイトルの解釈の仕方も諸説あるようです。