『キャプテン・フィリップス』

 トム・ハンクス主演の『キャプテン・フィリップス』をレンタルで観ました。民間の貨物船がソマリア海域で海賊に襲われ、船長が人質に取られるという実話をもとにした映画です。最終的にはアメリカ海軍のSEALSという特殊部隊が投入されて事態が収拾されるわけですが、それでめでたしめでたしという気持ちにはなれない後味が残りました。というのは、ソマリア海賊は、もともとは現地で漁師として平和に暮らしていた人々であり、獲った魚は海外へ輸出(ソマリア国内では魚を食べる習慣が無いため)していました。ところが、外国(日本を含むアジアの国々か?)の大型の漁船がやって来てソマリア沖で魚を根こそぎ獲っていってしまったり、更には内戦によって政府が機能していないため輸出という販売ルートが断たれてしまったこともあって、漁師たちの収入が途絶えたため、仕方なく海賊行為に及んでいるという背景があるからです。海賊は勿論許されるものではありませんが、その一方で同情してしまい、複雑な気持ちになりました。