珍しい名前

 お店のレジに並んでいる時に、ヒマなので周りの客や店員のことをそれとなく観察してみることがよくあります。店員が胸に付けている名札を見てどんな名前なのかをチェックしたりもするのですが、ありふれた名前が多い中、珍しい苗字を見つけるとちょっと嬉しい気持ちになります。何年か前に京都駅のキオスクでお弁当を買った際、店員の若い女性の名札に「別宮」と書いてあるのを見つけて「なんと雅な名前!さすが京都だなぁ〜」と驚いたことがありました。あと、割と最近では、某コンビニの店員さんの名札に「忍足」と書いてありました。これは何て読むのだろうかといろいろと推察してみたのですが分からなかったので、何度かそのお店に通った後のある日、意を決して何とお読みするのか尋ねたところ、おそらくこの人は子供の頃からこういった質問は何百回もされてきているのか、随分と慣れた調子で「おしたり」だと教えてくださいました。

 私の住んでいる地域ではそれほど珍しいとは思えないけれど、もしかしたら他の地域ではちょっと珍しいかもと思うのが「鵜飼」という苗字。岐阜には長良川の鵜飼の伝統があるので、そういう名前があっても不思議ではないのですが、よその土地ではあまり見かけないのではないかと思います。

 知り合いに「佐々(さっさ)」という人がいるのですが、この苗字は珍しいらしく、全国にもそうたくさんはいないのだそうです。佐々と言えば、信長や秀吉にも仕えた戦国武将の佐々成政が思い起こされますが、その成政の末裔である可能性が高いと考えられるのか、その知り合いの家には「何か古文書のようなものは残っていませんか?」と尋ねてくる人が時々いるのだそうです。

 ちなみに私の苗字は、それほどありふれてはいないけど、珍しくもないです。御先祖様を辿っていくと、高貴な家柄に繋がっていそうな気配は一切無い名前だし、かといって戦国武将的な力強さが伺えるわけでもなし。たぶん、どこかの山奥か辺鄙な海辺の民だったのではないかと思います ^^;)