『007 スペクター』

 007シリーズの最新作『スペクター』をレンタルで観ました。ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドもこれで4作目。はじめのうちは従来のジェームズ・ボンドのイメージに合っていない部分が多くて非常に違和感が強かったのですが、個人的には4作目にしてやっとしっくりくるようになりました。むしろ、こういうジェームズ・ボンドの方が良いのではないかとさえ感じます。ダニエル・クレイグはあと1作、007シリーズに出ることが決まっているそうで、その後はまた別の俳優にバトンタッチするとのこと。せっかくなじんできたのに交代してしまうのは残念。

 今回の『スペクター』の中には以前他の映画で見たことのある俳優が出演していました。ひとりは今回のいわゆる「ボンドガール」に当たるマドレーヌ・スワン役のレア・セドゥで、ミッションインポッシブルの前回作品『ゴースト・プロトコル』に悪い役(スパイ?)で出ていました。もうひとりは、英国の保安局のトップ役のアンドリュー・スコットで、現代版シャーロック・ホームズ『シャーロック』に宿敵モリアーティ役で出ていました。このアンドリュー・スコットなんて、こういう「頭は切れるけど、悪いヤツ」というイメージが定着しつつあり、もうそれ以外の役柄は出来ないんじゃないかと思ってしまうほどです。でもまあ、映画なんていうせいぜい2時間程度の限られた時間の中で、脇役のキャラクターを最初から説明していくわけにもいかないので、観客がその俳優の顔を見た瞬間に「あ、こいつは悪いヤツだな」と分かった方が映画を作る側にとっても映画を観る側にとっても、話がはやくて便利なのかもしれません。
 マドレーヌ役のレア・セドゥは、ミッションインポッシブルの時の方が数段魅力でした。あの時は彼女は25歳で現在は30歳。5年の間に随分と印象が変わってしまいました。