ドーナツ

 2010年に名古屋駅構内の一角に、クリスピークリームドーナツの東海地方としては第1号店となる店舗がオープンした当初は、いつ行っても長蛇の列が出来ていました。あれから数年が経ち、駅ビルのショッピングモールの増設とリニューアルによっていくつかのお店が入ると、クリスピークリームドーナツは隅の方へ追いやられた上に、店舗の面積は半分以下に縮小されていました。先日の会社帰りに私がお店の前を通りかかると、お客さんは3人ぐらいしかいなかったので中へ入り、ショウケースの中で一際目を引いた、オレオのクッキーがまぶしてあるドーナツとその他2点を購入しました。
 オレオクッキーのドーナツは、見た目は派手ですけど、味はまあ特別美味しいというわけではありません。でもインスタ映えする商品だとは思います。

 
 クリスピークリームのドーナツは、レシピはおそらく本国アメリカと全く同じものを使っているのでしょうか、ふんわりと柔らかな食感ではありません。ミスドとか、コンビニのドーナツに至るまで、日本のドーナツやパンは「ふんわり柔らか」志向が強くて、「柔らかいこと」は美味しさを構成する要素の重要なポイントのひとつとして、いつの間にか組み込まれてしまっています。柔らかいと言ったって、それは厳選した小麦を使ったり、特殊な技術で焼いたり揚げたりしているわけではなく、柔らかい食感を出すための油脂をたくさん使っているだけでしょうから(当然、カロリーも高いですし)、私としては、そういう言わば「偽りの柔らかさ」に抵抗を感じておりました。その点、クリスピークリームのドーナツはアイテムによってはボソボソしてたりしますけど、無理やり柔らかくしよとしていないところは好感が持てます。

 ところで私は個人的には随分前から「菓子パン禁止令」を発令していて、普段から菓子パンを食べないようにしています。しかし「ドーナツは菓子パンとは認めない」という「バナナはおやつには入りません」的な理屈をこね、更には「食品メーカーに勤める者としては、やはりこういうドーナツも実際に自分で食べて市場調査のデータを蓄積しなくては」という高い職業意識から来る使命感があるようなふりをして、何だかんだ自分に対して言い訳をしながら食べています。菓子パンがダメならドーナツだって完全にNGなのは分かってはいるのですが ^^;)