会社の仕事の化学分析関係の業務で硫酸を使用することがあります。例えば、キャンディの劣化の指標として直接還元糖の含有割合を測定する際、希硫酸を加える工程があります。希硫酸というのは濃硫酸を薄めて調整するのですが、以前、硫酸が入った瓶を傾けてメスシリンダーに硫酸を注ぎ、瓶を元に戻した時に瓶の口からほんの一滴の硫酸が漏れて、瓶の表面を伝って下へ落ちていきました。瓶にはラベルが貼ってあるのですが、硫酸が通ったところだけラベルに印刷された文字が消えて白くなってしまいました。そしてその一滴が知らないうちに私のズボンについて、ズボンに穴があいてしまいました。(本来であれば瓶から直接メスシリンダーに入れるのではなく、駒込ピペットを使うべきでしたが、横着してしまいました。)
硫酸や塩酸などの劇物は、うちの会社の場合は鍵をかけた保管庫に入れ、更にその保管庫が入っている部屋を施錠してますし、使用量や残量を細かく記録して管理しています。会社で使う試薬は化学薬品を取り扱う業者から買っていますが、硫酸などの劇物を購入する際には専用の書面に記名・捺印しなくてはなりません。
ただ、一般的には種類にサインしてお金さえ払えば(身分証明書を提示することもあるようですが)、硫酸などの劇物は薬局でも買えるようです。サインや身分証明書が必要とは言え、実質的には誰でも買えるのが現状です。凶器にもなる危険な薬物がいとも簡単に手に入るというのは、やはりどう考えてもおかしい。もっと厳しくするべきだと思います。