鳥居での一礼

 伊勢神宮に関して更にもう1点、これまで知らなかったことがありました。それは「鳥居のところで一礼する」ということに関してです。私も鳥居をくぐる際には立ち止まって一礼しておりました。外宮の場合は、最初に見えてくる鳥居(一の鳥居)にて一礼するのは正しいです。では内宮の場合はどうか?内宮を参拝する際、まず最初に宇治橋の両端に鳥居があります。手前が「一の鳥居」で、向こう側にあるのが「二の鳥居」です。

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 これらの鳥居で立ち止まって一礼している参拝者をよく見かけますし、私もつられて一礼したことはあります。しかし、実はここで一礼する必要は無いのだそうです。何故ならば、この二つの鳥居には榊が括り付けてないからです。次の「三の鳥居」には榊があるので、ここでは一礼する、というのが正解なのだそうです。では何故、「一の鳥居」と「二の鳥居」には榊が無いのかというと、その先にお手洗いがあるから。鳥居に括り付けられた榊には「この先は神聖な場所」という意味があり、お手洗いがあるエリアを「神聖な場所」とすることはできませんので。「三の鳥居」より先にはお手洗いが無く、この鳥居には榊が括り付けてありますので、ここで初めて一礼します。実際には、「三の鳥居」の内側でも、御祈祷を受ける場所の待合室にはお手洗いがありますし、神職や巫女さん達が利用するお手洗いはありますが、それらは建物の中なので例外と考えられているのでしょうし、もしかしたら、何か特別な方法でお清めされているのかもしれません。一方、外宮の場合は「一の鳥居」には榊が有ります(つまりそれより先にお手洗いが無い)ので、ここでは一礼するというのが正しい参拝方法なのです。