『熟睡者』

 2年ほど前にベストセラーとなった『スマホ脳』以降、まるでシリーズ化されたかのように北欧の医師による本が日本語訳され、書店の目立つ場所にずらりと平積みされるようになりました。最近出版されたそういった本の中でとりわけ興味を抱いたのが『熟睡者』という本。著者はスウェーデンの大学の医学部准教授のドイツ人とスウェーデン人の作家のコンビ。私はここ2〜3年の間に睡眠の本を何冊か読んで、睡眠の重要さはそれなりに認識していましたし、「要はちゃんと睡眠時間を取ればいいんでしょ」というのが結論で、この『熟睡者』にしても方向性としては同じなんだろうなと、少し甘く見ておりました。しかし、読んでみると更に一歩踏み込んだ内容でした。例えば、寝る前にスマホから発せられるブルーライトが目に入ると、その刺激によって深い眠りが得られない、ということは知っていましたが、昼間に太陽の光をたくさん浴びておくとブルーライトによる悪影響を軽減できるとか、十分な睡眠を取れている人に比べ睡眠不足や睡眠の質が悪い人は身体に脂肪を溜め込みやすい体質になっていく、という研究結果は大変興味深いものでした。ああ面白かった、では済まさずに、この本から得た知識を私の睡眠や身体全体の状態をより良いものにしていくために活用したいです。