チョコレートの原料となるカカオ豆の価格が高騰しております。世界の生産量の多くを占めるコートジボワールとガーナにおける異常気象や病害で収穫量が大きく減り、世界的に流通量が不足しているからです。更に円安のため、輸入価格が押し上げられました。この状況下で、うちの会社のようなチョコレートをメインの商品としているメーカーは、商品の内容量を減らすか販売価格を上げるか、あるいはその両方を同時に行っています。これも一気に内容量を減らすのではなく、小刻みに段階的に減らしていっており、うちの場合だとかつては「ファミリーパック」的な大容量の商品だったものが、いつの間にかまるで100均の商品のように小さくなってしまいました。更に、原材料費を抑えるために配合の変更も進めています。チョコレートにはカカオ豆から抽出したカカオバターを使用していますが、ゴディバのような高級品ではない、スーパーで売っているようなチョコレートはパーム油などから合成された代用油脂をカカオバターと併せて使っています。その代用油脂の割合を増やして原材料費を少しでも安く抑えようとしています。ただやはりココアバターと比べると風味の点で劣るので、それを誤魔化すために添加する香料の種類や量を変更する必要が出てきて、長期間保存した場合に風味がどのように変化するかも検査しなければならないので、配合決定までにはそれなりの時間を要します。