宮城峡蒸溜所

仙台市青葉区にあるニッカの宮城峡蒸留所の工場見学に行ってきました。

この蒸溜所は、広瀬川と新川(にっかわ)の合流地点にあります。社名の「ニッカ」と「新川(にっかわ)」が似ているのは全くの偶然で、川の名前に因んで社名にしたわけではないそうです。

蒸溜所を建設する際に、創業者の竹鶴政孝が、元々ある地形の起伏をそのまま残し、木は出来るだけ伐採しない等を指示し、そのおかげで蒸溜所は自然の中に溶け込んで、とても雰囲気が良いです。

見学ツアーは、20人ぐらいが一組になってガイドさんの説明を聴きながら工場内を歩いて廻ります。

↓ 麦汁を酵母で発酵させて作ったモロミを加熱してアルコールを抽出する蒸留機。それぞれの蒸留機の上部にはしめ縄が掛けられています。これは竹鶴政孝が日本酒の造り酒屋の出身であり、日本酒の仕込みの際と同じようにしたとのこと。

見学ツアーの最後は試飲コーナーへ。多くの見学者の顔に「やっとウイスキーが飲めるぞ!」的な嬉しそうな表情が浮かびました。
試飲するのは「ピュアモルト」、「竹鶴」、「アップルワイン」の3種類が各1ショットずつ。氷と水と炭酸水が用意されていて、それぞれが自分の好きな方法で飲みました。私は、それぞれをまずストレートで、その次に水で2〜3倍に薄めて飲みました。アップルワインは炭酸で割りました。いずれのウイスキーも、私が好んで飲むアイラモルトのような独特のスモーキーさはありませんが、静かで上品で日本らしいウイスキーであり、昨今、ジャパニーズウイスキーが世界の品評会で高く評価されるようになったのも分かる気がしました。

無料試飲コーナーの横には有料で飲めるバーカウンターがありました。せっかくなのでもう少し飲んでいくことにしました。たくさんある中から選んだのが「竹鶴17年」でワンショット500円。これを720mlのボトルで買うとなると2万円ぐらいするし、バーで飲むと多分2千円前後でしょうから、それが500円で飲めるのはオトク!

もう一杯ぐらい飲みたかったのですが、ちょうどイイ感じにほろ酔い気分になってきたので、そこでストップしました。

この工場見学ツアーは、見学者用に作られたコースを廻るものであり、そこで見ることが出来るのは現在稼働中の機械ではなく、過去に使っていた装置を見学用に組み上げたものがほとんどで、「今まさにここでウイスキーが作られている」という臨場感や活気はありませんし、説明の内容も初心者向けの簡単なもので、やや物足りなさはありました。しかし、見学ツアー自体は無料だし、最寄りの駅との間は無料のシャトルバスで移動できますし、大きな不満は無く、良い体験でした。