S子叔母さん

 父には妹が5人います。父もよく喋るのですが、5人の妹たちも非常におしゃべりで、親戚の集まりなどはとても賑やかだった記憶があります。特に長女のS 子叔母さんはいつもニコニコしながら大きな声でよく喋る人でした。S子叔母さんは元々「よく喋るDNA」を持って生まれた上に、結婚後は関西方面に移り住んだので、喋る能力がますます磨かれて関西独特のしゃべくり人間が完成されていったのだと思われます。

 そのS子叔母さんの訃報が数日前に届きました。S子叔母さんと最後に会ったのは数年前で、遠く離れていることもあり、特にコロナ禍以降は会う機会が全くありませんでした。歳をとってからもお喋りは衰えることは無かったみたいで、元気に明るく過ごし、天から授かったエネルギーを完全に使い切って旅立っていったように感じられました。訃報を聞いたのは亡くなってから暫く経ってからだったのですが、その日の夜、少し不思議なことがありました。私の部屋の天上のLEDの照明は無段階で明るさを調節できるタイプで、私はいつも中間よりも少し暗めに設定しています。それが、その日はリモコンに触れてもいないのに明るさがMAXになってしまっていて、おかしいなぁと思っていつもの明るさまで下げても、またいつの間にかMAXになるということが何度か繰り返されました。それはまるでS子叔母さんが最後の挨拶にやって来て、私のことをパァーッと明るく照らして「あんたも元気に明るく頑張んなさいよっ!」と言われたような気がしました。