沈黙の夏

今週のお題「2011年、夏の思い出」

 記録的な猛暑が続いている今年の夏、毎日「暑い、暑い」と言って過ごしてきたわけですが「何だかちょっと、いつもの夏とは違うような気がするなぁ…。何が違うんだろう?」と思って、よく考えてみたら、なんと、今年の夏は(少なくとも今のところ)1度も蚊に刺されませんでした。こんなことは未だかつてありませんでした。家の中にいても、たいてい、足とか腕とかを知らない間に刺されるものです。だいたいひと夏で数か所〜10か所ぐらいは刺されるでしょうか。なのに、今年はゼロ。何でだろう?そういえば、蚊だけでなく、ゴキブリも1匹も見ませんでした。また、蟻については、さすがに庭で見かけることはありますが、その数が以前よりも大幅に減ったような気がします。
 夜になると家の門燈の明かりに集まってくる虫を狙って小さなアマガエルが以前はやって来ていたのですが、今年は見かけませんでした。また、入口のドアの明かりに寄ってくる蛾もいなくなったし、それを狙って来るヤモリもいなくなりました。
 単に、もっと棲みやすい別の場所に移動しただけなのかもしれないけれど、もしかしたら、環境が悪化したために生物の数が総体的に減ったのかもしれません。虫が減って、それを捕食するヤモリやカエルが減って、次はそれを獲る鳥が減るのでしょうか。仮に原因が環境の悪化(宅地化等による緑の減少、農薬による汚染等)だとすれば、おそらく随分前から見えないところで静かに進行していて、最近になってやっと「何かヘンだな」と知覚できるレベルに達したのかもしれません。
 こういう状況で思い出すのが、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』です。農薬による環境汚染を訴える先駆けとなった古典的名著です。タイトルと概要は知っていましたが、まだ読んでいませんでした。是非、読んでみたいと思います。

沈黙の春 (新潮文庫)

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