ニキータ

 『ニキータ』という物語は、もともとはリュック・ベッソン監督の1990年のフランス映画『NIKITA』がオリジナルで、バイオレンスがいっぱいではあるのですが(なんてたって主人公は要人暗殺が任務の特殊工作員ですから)、そういう状況設定だからこそ表現できるちょっと悲しい愛が非常に印象的で、同監督の『LEON』と並び好きな映画のひとつです。

 その後、『ニキータ』は1994年にハリウッドで『アサシン 暗・殺・者』としてリメイクされ、更に1997年にはカナダでテレビドラマ化され、そして2010年にアメリカでテレビドラマ化されました。ハリウッド版とカナダ版は、原作のフランス版にあるような「荒削りだけど、ガツンと心に響いてくるもの」が無くなって、ただのアクション映画(ドラマ)になり下ってしまい本来の魅力が大きく損なわれていました。ですので、2010年のアメリカテレビドラマ版もあまり期待していなかったのですが、観てみたら、ツッコミどころはいくつかあるものの、結構面白かったのでDVDを続けざまに借りてしまいました。

 このドラマで主役のニキータを演じるのは、ハワイ出身のマギー・Qという女優で、これまでの主役とは違ってアジアっぽい顔立ちに新鮮さを感じました。このマギー・Qは、ミッションインポッシブル3やダイ・ハード4にも出ていたのに全く記憶に残っていないのですが(そりゃ、トム・クルーズブルース・ウィルスの存在感の前には霞んでしまっても仕方がありませんが)、今回のドラマの主役でやっと強く印象に残るに至りました。

 このマギー・Qを見ていて、村上春樹の『1Q84』を実写映画化したら青豆役にイイかもしれないなと思いました(これまではずっと天海祐希がイイと思っていたのですが ^^)。

NIKITA / ニキータ 〈ファースト・シーズン〉Vol.1 [DVD]

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